初めまして漫画家アシスタント歴17年のハルマキと申します。
漫画家になりたい!その1番の近道はたくさん原稿を描くことなんですが、漫画の技術や考え方を学ぶうえで漫画家のアシスタントになるのはとてつもなく勉強になります。
僕自身3年間漫画の専門学校に行ってましたが、それ以上に1週間だけ入ったプロの現場で獲れた事の方が多かったです。(真面目に授業受けてなかった僕のせいでもあるんですが(汗))
では、具体的にどんな事を学べるのか今回は「作画作業の回し方」について語っていきます。
何をアシスタントに任すのか?
新人は連載持って初めて自分がアシスタントを雇う立場になった時どう作業を回せばいいか戸惑います。
なぜなら漫画家目指してる大体の人はそれまで投稿用の原稿を1人で描いてると思います。
絵心のある友達に手伝ってもらった〜ってのもあるかもしれませんがほとんどの人が
- 下描き
- キャラのペン入れ
- 背景
- 仕上げ(トーン、ベタ、集中線、擬態語、ホワイト修正)
までを全部自分1人でやってますよね。
これが賞を取り上手くいって週刊や、月刊の連載をもったプロになると今度は急にアシスタントを雇う立場になると思います。
同じ脳を持った自分の分身ならイメージも統一できてるし、作画能力も分かっているから楽なんですがそうはいきません。相手がどれだけ描けるのか、どれぐらいの作画速度なのかを計算しつつ指示出ししないといけません。

ええ〜ちょっと待ってそんな今まで人を使ったことないからどんな感じで作業を回したらいいか分かんないよ僕。

そらそうやな〜ただせさえ新人は作画に慣れてないのに、人を使うのに焦るわな。
でも、そうしてる間に締め切りは刻々と迫っとるで。
そうなんです!今まで全部自分でやっていた作業の一部を初めて人に任せるのですが、さぁどこからどこまで任せるのか、描いて欲しいイメージをどう伝えるのかなど仕事をどう回すのか迷います。
例えば、僕の先生の仕事場だと
- 背景の下描きは鉛筆で最低限大まかなあたりぐらいで、言葉でイメージを伝えアシスタントはそこから資料を見たりイメージを膨らまして細かく下描きをする。
- 「ガン!」「ビシッ!」などの擬態語
- 枠線のペン入れ、鉛筆線の消しゴムがけ
- そのコマがどういう感情を読者に与えたいかを伝えて、仕上げの指示
こういう配分の作業をアシスタントに任せることによって効率良く仕事を回し、自分の作画に集中することによってペースを保っていました。なのでよほどのイレギュラーなことが起きない限り締め切りに遅れることはないし、プロで長ければ長い先生ほど安定した仕事のペース配分をわかってらっしゃいます。
もちろん自分が連載持ったらどういう仕事場にするかは自由ですし、中にはアシスタントを全く経験しないで連載持って成功してる漫画家さんも沢山いらっしゃいます。
でも少しでもプロのアシスタントの経験があると、「ああなるほど!作画のここまでは自分でやってここからはアシスタントに任すと効率がいいだ」
「画面のイメージをこう伝えて、指示出すんだ」など1度でも自分が経験したことが勉強になり少しでも戸惑いが減ります。

何より締め切り間近の、緊張感ある仕事場の雰囲気を味わえるのは醍醐味やな〜
編集さんが横で待ってたりしたらなおさらや。

わぁ〜あのドキドキ、なるべくなら一生に1回でいいや・・・
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