はじめまして漫画家アシスタント歴17年のハルマキともうします。僕はその17年間で9本の読み切りを描かせてもらいました。
その内7本がギャグ漫画でしたが、デビューして3年後ギャグ漫画描くのをやめました。
自分の実力では連載を勝ち取るようなギャグ作品が描けそうになかったので他の道を探そうかと違うジャンルに手を出すんですが、それが迷走の始まりで。結局次の作品が載るまで5年もの時間がかかってしまいました。
「なんでそんなにもかかったの?」「結局どういう道に行き着いたの?」今回はその辺をご紹介したいと思います。
コメディを模索する日々
漫画家を目指してる人や、物作りをしてる人はわかると思うのですが。創作で迷って壁にぶち当たると「自分はなぜこの道を選んだのか?」「それを与えてくれた物はなんだったのか?」と「原点」に帰ろうとします。
僕の場合だと漫画を描きたいと思った原点「高橋留美子先生」のコメディになります。
恋愛要素があって、バトルもあってキャラの掛け合いが面白い、そんな楽しい漫画を描きたい!そう立ち帰り僕はギャグをやめてからラブコメを描こうとしました。
だけどま〜コレが下手で(汗)
- そもそもキャラクターも上手く作れてない
- 設定、要素ばかりが多い
- 中身のない男女の掛け合いの会話
- ドラマもないので何が解決して終わったかわからない
毎回作品を持って行く度に編集者さんから結局「ラブがしたいの?」「バトルがしたいの?」「読み終わっても何のカタルシスも無い」と言われました(笑)
今思い出しても編集者さんの言いたいことは当然だなと。こんな雰囲気のコメディを描きたいってイメージだけはあるけど、どこを一番読者に面白いって伝えたいか!って中心が無かった。
結局1本も読み切り描けないまま3年近くウダウダしてました。お前は何を先生から学んできたんだって言われても仕方ないですね(汗)
そしてまた悩んだ末に、僕が次に向かったのは・・・
「饗客」 2012年 クラブサンデー(Web)

中国四川省「散花村」は貧しさゆえ税を払えず役人に村を焼かれるなどの圧政に苦しめられていた。そんな時1人の刺客を雇う、彼の名は「紅雪」
彼が通った後は血の雪が降ると恐れられる凄腕の刺客だった。
紅雪は金を払えば何でもやると言われてる男だが、唯一金以外でも雇えると噂が。それは何か?
彼は依頼人にこう言う「オレと一緒に飯を食ってくれ」・・・
コメディで悩んだ結果、完全なバトル漫画に行き着きました。
アシスタントの仕事をして9年、画力もそこそこ向上したのもありますが。先生の影響を受けたのもあります。
やはり手伝ってる先生が熱いバトル漫画を描いてる方だったので僕もそう言うの描きたい!と段々と思って言ったんですね。
そこで昔から好きだった武侠映画(中国の剣士が出てくる時代劇もの)✖️カッコいい男を掛け合わせて作品を描こうと。



自分なりのカッコいい男とは何か?もちろん見た目もそうですが
- 悲しみを背負っている
- 自分なりの信念がある
- 結局人のために命をかける
- 見返りがあるとすれば、周りからするととても些細なもの
こういったことが僕の中で重要でした。
ちなみにタイトルは饗客(きょうかく)で侠客=強くをくじき弱気を助けることをたてまえとする人の「俠」を食に関係する「饗」(酒食をもてなす)にもじりました。
全く違うジャンルを目指して、ギャグ漫画から載るのに5年かかりましたが。ホント描けてよかった作品です。
まぁ、さすがにかかりすぎですが(汗)
さぁそして、次の作品が僕が載った最後の読み切り作品。
だだ、それも4年かかってるんですね・・・
続く
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